シナリオ=A|グラフィック=C|キャラ=B|音楽=B|総合評価=B
OPのフルアニメーションには驚かされました、曲もいいし。ToHeart2XRATEDの後だったら、そこまで感動はしなかったかも知れませんけどw
そもそも、パルフェのFlashを作る際にこのED「wintry breeze」を使ったのが秋色恋華をやろうと思ったきっかけ。当然のことながら、音楽の評価が高いのはその辺りの主観が入りまくりです。ですので、それを差っぴいて総合評価はBにしました。
タイトル画面を放っておくと始まる、キャラクターの自己紹介なども気が効いています。(特に、翼のがあるのは、売る前からファンの心理をよく掴んでいらっしゃるw)システム面で不備はなし、セーブポイントもキャラ別に分けることができて見やすいので好印象。スキップは前代未聞の猛スピード。
今回は以前ブログにうpってたメモをそのまま使います。
さて、共通ルートですが……それなり、ですか。制服が幾らなんでもあり得ないだろ、というくらいなデザイン(しかも男まで)なのには度肝を抜かれました。初っ端から気に入ってた葵(これはもう、妹なので当然です)がB級アイドルでパンチラ番組などに出てるのなどは、嫉妬もの。
自宅マンションの設定がやけにリアル。これも好評価ですね。ばかげた広さでデザイナーズでもこんなんねぇよって部屋じゃなくて、都内のちょっと古いマンションっぽい設定の広さで台所に布巾掛けがあったり、と妙に現実的な生活感を醸し出してます。うん、これはいい。細かいことだけどこういう部分のリアリティって結構重要。
さてまずは幼馴染であり姉代わりな佐川英理子。メモする暇もないくらいにさっくりプレイしました。で、感想ですが……
いやあ、さっきプレイし終えたばっかなのに記憶にありません。とまあそれだけじゃ何なので、覚えてる範囲で言えば、要は教え子である主人公との関係がばれ、理事長に呼ばれて説明のシーン、あれがクライマックスの筈なのにそんなにあっさりと終わってしまうのって、どうよ?でしょうか。特別、萌えも燃えもない、ちょっと平坦なシナリオでした。
拍子抜けしながらも、次に世良香澄を選択。ロシアとのハーフ、金髪お嬢様。
普段の優しげな対応とぶち切れモード、女王様モードの落差がなかなか面白かったです。設定は、お嬢様なのに牛丼好きでこっそりと牛丼屋巡りをしたり、「マイ・牛丼」作成に燃えたりと面白いキャラクターですね。シナリオもそれなりに楽しめました。お嬢様との恋愛なので、王道とも言える家への反逆なわけですが、それほど深刻になるわけでもなく、かと言ってそれが興ざめに繋がることもない。
香澄のキャラクターに助けられた感じもありますが、それだけ香澄自体が良かったってことですね。
これは期待できそうなゲームだ、と手ごたえを感じつつ戸倉真由へ。
いやー、これはいい。
いいですよ、真由、というか翼。どっちもええ子や〜と思いながらプレイしていましたが、クライマックスの、真由が突然態度を変えた辺りからそれが加速して。2人で支えあって生きている様子がとても健気で、思わず応援したくなる姉妹。卑屈になるでもなく、捻くれもせず。香澄以上にキャラクターの魅力が光るシナリオだったように思います。
シナリオそのものもここまでの3本の中では最も良かった。2人が惹かれあって行く様子とか、翼を含めた3人の幸せな日常とか、その後のクライマックス、そしてエピローグと一気に進められる。欲を言えば、やはり更にその後の結婚生活までサービスで描いて欲しかったなあ、と思うくらい。それくらいにいい出来でした。
いよいよ本命2人。まず、喋り方や天然なところがツボった南条伊吹。
うん。声はやっぱりシアwこの声はいい。あ、別にだからサイト名がLisianthus.me.ukなんじゃないですよ。面倒だったからドメインをそのままサイト名に使っただけで……つまり、ドメインはシア萌えだから、ってのは……えーと、まあ、否定はしませんが。
〜だよ、という語尾が声と相俟ってなかなか。某あんまん〜とかみたいに、キャラクターが濃ゆ過ぎると、語尾がムカツク場合もありますけど、こういうほんわか天然系ならなかなか癒されますね。具無しラーメン好きだとか、ネジの外れ方が可愛らしいです。
とは言え、「酷いだよぉ〜」って、台詞だから「酷い」と「だよぉ〜」の間が空くからいいけど、テキストだけ見てるとおまいはどこの田舎もんだ、って感じだw
体育の日だからって、ブルマに拘る伊吹。つーか、このネジの外れっぷりが異様に可愛いんですが。デートでの髪を下ろした伊吹。絵のせいか……誰だかわからなかったけど、これはこれでイイっす。『放課後の青い性・ピアノ教師もレッスン中』てw
…
……
……………………………………はっ?!
あ、いかん、あまりにも面白くて夢中になり過ぎて、何もメモを取らずにエピローグまでいってしまった。いっやあ、素晴らしいですよ、この伊吹シナリオ。主人公も途中で微妙にヘタレますが、最後はきっちり締めてくれますし。
秋色恋華じゃなかったらきっと、テニスに復帰もしました〜とかなんとか言って海外で活躍する伊吹をテレビで見てる志伸のとこに、しばらく遠征ないからとかいいつつ伊吹が突然帰ってくるとか、そういう中途半端で曖昧な終わり方をしたりするんだろうけど。
この秋色恋華は一味違いますよ。最高ですよ、ええ。何がどう違うって……そりゃもう、これはもうやってください、としか。
と、ここでハタと気がついた。というか、やっぱり気になった。
……葵って、単語喋るたびに息を吸うのが気になるんだよなあ。
というわけでいよいよ葵です。妹です。アイドルです。関係ないけど。
しかし、ナース服でリンボーダンスって安直というか、なんか一昔前のエロい深夜番組のノリですな。放送できる限界ぎりぎりでやってたもんな、あの頃って。そうそう、深夜番組と言えば「カノッサの屈辱」というのがあって、それはエロは全然関係ないんだけど面白かったな。仲谷教授を久しぶりに見たい気がする……他にも日産自動車が提供してたためになりそうな番組とか結構あったよね、あの頃って。それに比べて今のテレビ番組ってさあ、ゴールデンですら見るに値する番組やってないもんね。唯一、NHKは頑張ってると思うけど、まあ金持ってるからな〜。って、それだけ。
閑話休題。
壁となるものは、葵がアイドルだってだけで予測はつくし、まったくその通りにふ〜みんがやって来て志伸に「葵に会うな」と警告するわけですが、伊吹の時の蘭子に比べればまだ「いや〜んな感じ」が薄いですね。
当然のように先も読めてしまうわけですが、とは言え予断は許さない。普通なら。最後の最後で曖昧な終わり方させることが「余韻」を残すことだなんて勘違いしてるライターもいるし、どんでん返しなら話題になるとトチ狂ってるライターもまた、世の中には存在しますからねぇ。
ここでもやはり、秋色恋華はきっちり仕事してくれましたよ。そりゃあさ、ここまで来たらアイドル業なんざほっぽりだしてくれないと。
それにしても、さすがメインヒロイン。ていうかメインヒロインは葵だよね?だって、エンディングの演出からしてめちゃくちゃ力入ってたし。それでも、誰が一番良かったかと言われれば、やっぱり伊吹になってしまうわけですけど。
なんで現実逃避するためにプレイしてるギャルゲで、現実見せられなきゃならねぇんだよ。って人には特に。
仕事だとか夢だとか、現実的なんだか青臭いんだかわからんものを選ぶなんて、大人の選択なんだか子供の我侭なんだか。そういうゲームはプレイする価値なんてないね。いいじゃん、ゲームの中でくらい全部捨てて恋愛とったってさ。
……と、いう人にも特にお勧めできます。というか、そういうゲームがいいですよねぇ。そう考えるとシナリオはSにしても良かったかも知れないw
そもそも、伊吹>>>葵>真由>香澄>>>英理子の順なわけでして、それぞれが別段絡むわけでもありませんし……
エビフライを最後に食べる人なら「英理子→香澄→葵→真由→伊吹」
最初に食べちゃう人なら「伊吹→真由→葵→香澄→英理子」
って、ただそれだけだと思われます。