シナリオ=B|グラフィック=A|キャラ=A|音楽=B|総合評価=B
立絵も表情も豊富。イベントCGはそれほど多くはないが何がいいって、立絵の使い方というか演出が非常にいいです。
他のキャラを押しのけて来る時に押し出されたキャラが小さくなって奥に移動して行ったり、移動なんかも動きが多くてそれだけでも面白いですねー。表情も良く変わるし、画面を上手く利用しているなあ、と感心するばかり。設定も別システムで非常に細かく設定できます。音量やウィンドウの大きさ(最大でSVGAですよっ?!フルスクリーンじゃなくて、ウィンドウでっ!)、あらゆることが微調整できるので、これ以上のシステムを作るのは無理なんじゃないかと思うほど。
魔法での戦闘シーンも、臨場感が出ています。但し、シナリオについて言えば魔法はほとんど関係ないんですよね、このゲーム。ていうかなくても良かったんじゃないかと……。ゲームそのものとシステム設定画面の起動に時間がかかるってのもほんのちょっと難点ですかね。
絵もきれいだし、音楽もいいし、満点です。というわけで、各キャラとシナリオに行ってみましょうか。
恐らくメインヒロイン。まず春姫か杏璃をクリアしないと残りの2人にいけないので、とりあえず春姫からやってみることに。杏璃はツンデレのようですからお楽しみは後ってことで、まあこの辺はツンデラーとしては当然の選択ではないかとw
で、いきなりなんですけど。
……春姫よりもいきなり準に萌えてしまいましたw 最初の電話で、これがメインヒロインだろう、絶対に!と意気込んで「おっこれは相当な当たりゲームだぞ!!」と思いつつやってたら……
○○○なんですか_| ̄|○
そんなわけで初っ端から春姫よりも準に萌えてしまったわけですが、まあその準を超えるキャラなんだろう、と。完璧超人だけど気さくで、お嬢様でもないのに何となくお嬢様っぽい。メインヒロインだけあって全体のストーリーの核となる式守伊吹との戦いについてもメインとなるわけですが……ナンというか……結果的にそれほど萌えるキャラではなかったです。
最大の欠点はメインであるがために優秀さを強く打ち出してしまい、SHUFFLE!の楓やパルフェの里伽子のような人間くささがなくなってしまったように感じられたところでしょうね。
途中の盛り上がりで雄真の言った通り「雄真が記憶の中の少年だったら好きで、そうじゃなかったら好きじゃないのか?」と思いましたが、それに対する春姫の答えは悪くない感じではあったです。あそこで雄真の疑問の投げかけがなければ、オイオイって感じだったでしょうね、きっと。その辺りの心情や展開はしっかりとしているので安心してプレイできるかと。ただまあ、結局はこのシナリオ、雄真の良さが光るだけであまり春姫がいいと感じないんですよね。見た目は割と好みのキャラだったんですが、どことなく傲慢さが漂うところと、次のヒロイン小雪さんをプレイしたせいで印象が薄れてしまいました。
1年上の、確実に当たる占いが得意な、でも謎な人。最初の印象ではALMAの鈴、Giftの縁と同様であまり興味を持てなかったんですが……やられました。
ええもう、完膚なきまでにその魅力に打ちのめされましたよ。立絵の拗ねたような(?)デフォルメされた表情にまずやられて。お花見の時の四次元状態なポケットにやられ。晩生なせいで、ちょっとずつ雄真に惹かれて行く自分に戸惑うその姿にやられ。
シナリオもプレイヤーを置いていくような急展開もなく、2人が惹かれあって行く過程が、しかも雄真がきっちりと小雪さんを思い遣っている部分が非常に好印象。春姫シナリオとの関連というか、春姫が微妙に絡んできたり、そこの部分(えーと、確か4月19日放課後?)での遣り取りも春姫シナリオを終えていると何となく春姫の気持ちもわかったりして。シナリオのクリア順制御もちゃんと意味があるなあ。伊吹と小雪の屋上での会話も、先に春姫シナリオをやっているからすんなり理解できるわけで。
ギャルゲにしては珍しく、雄真の方が強く意識しているというのがまた良かった。そりゃまあ、ギャルゲの主人公が何もしなくてももてる、もしくは(多少強引でも)必ずもてるきっかけというか理由がある、というのはお約束だけど……あまりそういうのばかりでも、ねぇ?ちょっとしたこと(4月22日の小雪を探してる最中とか)でも雄真の礼儀正しさや姿勢が読み取れて。こういうのも珍しいよね。春姫シナリオでも悪くなかったですが、このシナリオではより一層、雄真に思い入れすることができます。好青年、いや少年なのかな?w
このシナリオでは、雄真がしっかりしていて好感が持てる、というのもひとつですが周りのキャラもお節介にならない程度に2人のサポートをしていて、非常に心が和む感じがしているのが最大の良さですね。
すもも、春姫、2人の思いやりや心遣い、雄真と小雪それぞれの気持ちと決心などがこれほど見事に描かれると、主人公とヒロインだけでなく、周囲のキャラたちの心情、そしてストーリーとキャラクター、どれをとっても小雪シナリオはかなりいい出来でした。
……最後の決戦(?)周辺が、やけにあっさりしているように感じたのはちょっと残念ですが。まあ、魔法だの戦いだのはないに越したことはないですしね。
さあ、いよいよ金髪ツインテールツンデレです。
パルフェの玲愛からこっち、すっかりツンデラーになってしまった私なもんですから、この「はぴねす!」でも第一印象は杏璃が最高で。最後に回そうかと思っていたんですが、そこではっと「ALMA」の由衣を思い出して、すももを最後にすることにしました。
で、まず最初に感じたこと。……なんか、春姫ってやな女?
春姫シナリオでも感じたことですが、別のヒロインのシナリオになると特に強く感じちゃいましたね。最初から春姫よりも杏璃が気になっていたという贔屓目も、もちろんありますがw
さて杏璃です。
とにかく言動がいちいち可愛いらしいんですよ。キング・オブ・ツンデレの玲愛に比べると、ツンデレ度はそりゃ低いんですが。我侭なんだけど、ついそれを許してしまうのはやはり、金髪ツインテールのツンデレ特権ではないか、と。特に、クリスティーヌという名前(笑)がばれた時の照れた顔なんてもう、たまりませんw
雄真との掛け合いも面白いし、春姫を除く他のヒロインの魅力もこのシナリオでは小雪シナリオと同様、なかなか出ていたなあと思いますね。……Oasisでいきなりハチにトドメを刺したりやっぱりカレーを食べる小雪さんは最高っす。ヒロインではないけど音羽さんの出番も多かったし、マジックワンドのパエリアとの会話もなかなか充実しています。特にプルトニューム(※)の材料探しの時は良かった。パエリア……哀れw
(※プルトニュームっていうケーキらしいですけど。もしかしてライターさんは6価のウラン=イエローケーキ→6フッ化ウラン→濃縮→二酸化ウラン→原子力発電→プルトニウムという流れのことを言いたいんでしょうか?)(※ハニーベアーがHGに……爆笑ですたw)
それと、そんなことかよ、と思われるかも知れませんが。パエリアの形状や杏璃の服装などがとても「杏璃らしく」て、細かいことだけどそういった部分でも全体として調和が取れてますね。ただ、「お母様」や「お兄さま」という呼び方をすることと、派手な見た目に対してカップラーメン卵乗せとか「ぶえくしょん、ってかあ」は合いませんが、だがもちろんそこがイイ、と。よく考えてみたらカトレアタソもあの外見でコーヒーより玄米茶を淹れる方が得意だったり和食が好きだったり家事が万能だったりで……ううむ、金髪ツインテールは全てこうなのだろうか?
んで。想像はしていましたが、やっぱり杏璃は気持ちいいんですよねー、言動が。最初の方は理不尽な言動ですが(ま、ツンデレですし、当たり前ですな)、後半になるにつれて次第に……これは雄真に対する、ってだけじゃなくて、特にケーキ作りの時の2人で作った失敗作のあまりの不味さに大笑いしてしまうところとか、プレイしていても非常に気持ちのいいキャラクターであり、シナリオです。しかも、やっぱりそこを境に雄真の気持ちも変わっていく、と。
んー、あれだ。ほれ、雄真も言ってるように「屈託のない笑顔」がいいんだわ。ちくしょー、やっぱり杏璃は最後にするべきだったかも知れない!と悶え苦しんだのは言うまでもないほど、キャラクターもシナリオもツボりました。雄真が杏璃を「杏璃」と呼ぶようになってからは、何故か知らないけどっていうか意味も無くどきどきにやにやですよw中間に挟む戦闘は例の如くどーでもいいとして軽〜くスルーして、その後の手を繋ぐだけで緊張しまくってる2人が初々しく。んで、ベンチのもの凄く雄真から離れたところに座って真っ赤になってる杏璃……
ツ……ツンデレ万歳〜!!
予想通り、それほど大きなクライマックスはありませんでしたが、でもこれなんですよ、求めていたのはっ!!(力説)何だかぐちゃぐちゃどろどろと伏線を張りまくって、まあそれも悪くはないけどあくまでもパルフェレベルでないとねぇ。そうじゃないんだったら、これくらいあっさりとほのぼのにまとめてくれた方が遥かにいいってもんですよ。
……はっ?!何だかどんどんレビューが長くなっていくような……ま、まあ、それくらいに杏璃は素晴らしかったってことですよ。
ふっふふふふふふふ……
さあ妹ですよっ!
いやあ、以前は妹属性なんて全くなかったんですけどねぇ。ALMAの由衣ですっかりやられてしまったので、今回は実の妹ではないと言え、やはりこれが真打でしょうきっと。期待はいやがうえにも高まるってもんです。
とりあえずキャラクター的には、この「はぴねす!」登場人物中2番目くらいにいいですね。ん?1番?そりゃあやっぱり準ですよw
それはともかく、ヒロインたちの中では最高なわけで。すもも時間とか、独特な感覚がまたたまりませんねー。雄真とすももなら、魔法だの戦いだのは殆ど関係なく進むんだろうし、こりゃあ期待しない方がおかしいってもんです。桜を見ながら悲しげな様子だったり、これは春姫シナリオでもありましたが……結局春姫とすももの記憶には全く違いがなくて、どちらも子供のころに雄真に助けられていたのかどうかとか、魔法だのナンだのがなくても色々とありそう。
とりあえず最初の山はやはり、16日のデートでしょうかね。それはいいんですが、何となくこの雄真ってヘタレてますよねぇ(笑)
ただ、悪いヘタレ方ではなくて、ギャルゲの王道的なヘタレ方なんで気にはならないんですが、妹との外出がデートかどうかを翌朝まで悩むこともなかろーにwすももを気にしだすきっかけであることを言いたかったんでしょうけど、やはり妹シナリオのギャルゲではどうしてもこうなっちゃうのかな。シスコンのヘタレ兄、ってのはでも、嫌いじゃないです。思い出の場所まで来て、すももとのことをよく覚えていないことに対して、正直に「覚えていない」と言いつつしっかりフォローもする辺りは、ちょっとだけヘタレ返上ですしね。ただ、急に意識しすぎです、雄真w
このデートを挟んで、次第にすももの憂う感じが気になってきますが、それを無理して押さえ込んでいる風のすももがまた……
やっぱこの手のキャラはいいなあ
と改めて認識させられたりしますwすももとのことを安直に準や春姫に相談しようとせず、もっと自分でよく考えてみる、って答えていたのも好感触。微妙にシスコン的にヘタレている(笑)ところもありますが、このシナリオでの雄真もなかなかいいです。ただ、その割には何も考えずに小雪さんに占いを頼んだり、相談すれば何とかなんて明日にかけよう的なことを言い始めるのが早すぎる気もしますが。それでも土壇場でちゃんと、未来だけを見ないで自分がすももと向き合って解決しないといけないということで小雪さんの占い結果を見ないところは、ここまでの雄真の流れで踏ん張った感じがあります。
シナリオ中の伊吹との絡みについて。最初はすももが伊吹に絡んでいることがそれほど重要だとは思いませんでしたが、小雪シナリオの途中から「こりゃ絶対すももが止めるまで伊吹には暴走してもらわねばっ」と。泣きながら伊吹を抱き締める辺りはもう、こうなんてーか……感動ですよ。
いやあ、杏璃が最高だと思っていましたがやはりやってくれましたよ。ALMAで得た教訓は正しかった!妹にこそ真実のルートがある!!って感じですかね?w
すももシナリオを終えてから「新ルート追加」の文字が。
新ルート……はっ?!
遂に準攻略かっ?!いやっはーー!!
と思いきや、違いました_| ̄|○
まあ小雪とすもものシナリオのおかげで伊吹がなかなかいいキャラであるということがわかってきてましたから、それはそれで良かったですけどね。この伊吹ルートは途中で沙耶ルートとも分岐し、これだけなら1ルートで2度美味しいということになるんですが、シナリオそのものはやはり「おまけ」の域を出るものではありません。メインヒロインだけで4人いますから、それはそれで仕方ないことですし、シナリオ云々はおいといても伊吹と沙耶はキャラだけで十分萌えますので気にはならなかったですけどね。
お勧めできるのは、「萌え」さえあればいいという人。ほのぼのとして、王道な学園ものを楽しみたい人なら最高のゲームになります。あらゆるシナリオがハッピーエンドってのはやっぱりいいですねぇ。
初期は春姫か杏璃で固定です。また、伊吹と沙耶は他の4人攻略後に解放されますので、要は春姫と杏璃のどちらを先にするかと小雪とすももの順番くらいです。特にこのキャラをやっておかないとシナリオがぐだぐだでわからなくなるってのはありませんので、完全に趣味で考えればいいんじゃないでしょうか。
春姫→小雪→杏璃→すもも→伊吹→沙耶
推奨はこんなところです。沙耶はほぼハーレムエンドと言っていい内容ですので、伊吹の後、最後に回した方がいいかな。