シナリオ=B|グラフィック=B|キャラ=B|音楽=D|総合評価=C
システム面に不備はありませんが、システム設定とかメニュー画面で効果音や音楽が全く流れないので、ゲームスタートした瞬間に実は設定した音が大きかったりすると、ちょっと驚いたりします。
オートモードのスピードを最速にすると、確かに最速ですw
シナリオ、グラフィック、音楽など、単位ごとでみるとそれぞれが高いレベルなんですけど……どうかな、好き嫌いはかなりありそうですね。絵も濃い絵なので嫌いな人は嫌いそうだし。後はシナリオの出来はいいんですが、全体的にどこか鬱蒼とした感じが拭いきれないイメージがあります。
ギャグもあるし、重い過去を重く表現するとか、そんなわけではないのにどこかカラっとした明るさがない、そんな感じがしますね……
なんでそうなるのかな〜と考えてみたんですが、どうやら音楽の暗さが極端なんですね。例えば亜佳莉が幽霊を苦手としていることを告白するシーンで、テキストはそれほど暗くないし、デフォルメされた絵とかも使われてるくらいなのに、音楽が滅茶苦茶暗いんですよね。立絵も泣いてるものが使われたりと、テキストの流れと音楽や絵の組み合わせが不自然な箇所が幾つか見受けられます。
それが全体として暗さを感じる原因なのかも知れません。音楽を確認してみると、合計で22曲、明るいまたは穏やかな曲は主題歌を除くと17曲、暗い曲が4曲。その中間がありません。
それがこのゲームの狙いだったのかどうかはわかりませんが、それぞれのレベルが高いのに全体として暗くなってしまったのは、結局どうなんでしょうねぇ?
輪をかけているのが、バッドエンドの凄惨さ。ハッピーエンドは「これはいいハッピーエンドだ!」と思えるほどいいのに、バッドエンドがまた極端に暗いです。気が弱い人はCGコンプを気にせずバッドエンド回避した方がいいかも。
シナリオの核が悪霊との戦いになるので仕方ないんですが……それにしてもバッドエンドの凄惨さは何とかならんものか……
幽霊が2人もヒロインのシナリオってどうやるんだろう、と興味津々でプレイしましたが、どちらも上手く流しましたね。
特に亜佳莉と弥生のシナリオのエンディングが幸せいっぱいで非常に良かったです。バッドエンドに繋がりますが、小夜子の伏線も見事。他の住人たちと全然会ってなかったことなんて気付きませんでした。それぞれのハッピーエンドは最終的に2人しか平和荘に残らない状態(他の住人たちは戻ってきますが)になるので、ちょっと淋しいと言えば淋しいエンディングですけど。
全体としては非常に高レベルでまとまっているゲームだと思います。問題は前述した通りのバランスの悪さであって、シナリオ単体は良かったので結論としてはいいゲームだったかな、と。
難しい……主人公たちは学園に通っていますが、学園モノとしてのゲームを期待しているのならば避けた方が吉。あくまでも中心となっているのは霊との関係です。両親まで霊だしねぇ……。
ちょっと毛色の変わったゲームをやってみたい、という人にはお勧めできるかも。
後味の悪さを気にしないのであれば、最後に完全BAD ENDをやっておくとありゃもうびっくり、なエンディングをプレイできます。
沙希→有希BAD→有希→亜佳莉BAD→亜佳莉→遥BAD→遥→弥生→BAD END
最後のBAD ENDへの行き方は攻略サイト様をご参照ください。