シナリオ=E|グラフィック=E|キャラ=D|音楽=D|総合評価=E
「パルフェ〜ショコラSecondBrew〜」のスタッフがうんたらかんたら、とあったのでもの凄い期待を持っていました。その、期待を持っていた分が評価に影響したのは認めるところでした。ですので敢えて時間を置いて、プレイ終了から1年待ってレビューします。
高い評価をしているサイトを覗いてみると、「この青空に約束を」が素晴らしかったから評価が高いのではなく、「丸戸マンセー」であるように思えます。そういう見方を否定はしませんが、ここではできるだけ客観的なレビューをしたいので、パルフェのことは念頭から外します。
地雷認定。
まず、キャラによって、もしくはイベントCGにおけるイラストの崩れがあまりにも酷すぎます。それから脇役の男キャラ、これはもはや手抜きとか何とか言うレベルを超えてます。もう、最初に見た瞬間に(;゚д゚)ポカーン
音楽もいいのはOPくらいですか。絵にしても音楽にしても手抜きだよなあ、と明らかに感じてしまうようでは、ちょっと……。
それから現実感を出そうとして失敗した結果の中途半端さ。現代の○校生を描こうとして、完膚なきまでに失敗しています。日常的に学生に触れていればわかることですけど。ま、それはともかくとして、設定も現実的でないならないで、突き抜けてしまえばそれはそれで良いゲームになれるのに、妙なところで現実性を出そうとしてこれもまた失敗。島を観光地化することに何らデメリットはなく、それに反対しようとする主人公たちは単なる子供の我侭にしか見えません。それならそれで、自覚したうえで子供の我侭を通せば良いものを、ヘンな政治感覚を下手に出したせいで台無しに。あのさ、「社会に反抗すればかっこいい」って姿勢だけで何とかしようなんて、幾らギャルゲでもどうかと思いますよ?
リゾート開発が島の利益になることをわかっていて、それでも自分たちの思い出を残す方を選ぶ、とか、あるいは、そもそも島の利益になろうが何だろうが知らん、で貫き通した話だったら、シナリオでCをつけたと思われます。でも、そのどちらでもなく、校長がどこぞの建設会社の人間と会っていただの何だの、下手な演出が目立ちました。
設定もおかしい。というか既におかしいというレベルですらない。幾らなんでも、「ギャルゲだから」で許されるレベルを超えている。「エロゲ」とか「抜きゲー」だったら許せます。アレらはそもそも目的が違うし。
男子寮に男が1人ってのはいい。が、女子寮に同居はあり得ない。それに、寮生活をしてるような学生が親の転勤に伴って本土に帰るのはおかしい。なら最初から寮生活なんてしなければいい。何のための寮か。
だいいち、あの程度の島で寮のある学校というのも変。よほど特徴があって島外からの学生を積極的に受け入れているのならともかく、別段特徴などないし、色々な出身地の学生が集まっている様子もない。
そう言ったディテールを無視していいのは「抜きゲー」です。これはそうじゃないですよね? GIGAの販促や色々なレビューを見てても、まともな(?)「ギャルゲ」もしくは「シナリオゲー」なんですよね?
繰り返しますが、抜きゲーなら許せる範囲です。すべて。でも、そうじゃないんだとしたら、これは駄作以下。糞ゲーという評価すら生ぬるい。
すべてが中途半端で上滑り、どうにもノレないシナリオでした。
「夏めろ」の方がよほど、×校生をしっかり描ききれていたと思いますね。
何を考えてるんでしょうね?
いや、制作者が、ですよ。もはや主人公がどんなキャラなのかってのはどうでもいいと考えているとしか思えない。行動原理に意味も背景もない。一貫性もない。故に台詞すべてが薄っぺらい。
それでもどうにか彼らを理解しようとして無理矢理考えるならば、どうやら彼らは自分たちの考えだけが正しいようです。周囲の迷惑も何も考えず、思ったままに行動するのであれば世の中簡単でいいですよね。
何度も書きますが、それならそれで、それを貫けば良かった。利己的だろうが青臭かろうが、割り切って書けばある程度のモノにはなったと思うんですよね。
で、結局は「何がなにやらわからないうちに終わった」って感じ。特に宮穂と奈緒子は未読スキップオンリーモード。沙衣里に至っては劣化版「12人の優しい日本人」。それすら「12人の怒れる男」をインスパイヤしたものであって。コピーのコピーなんて、どうにもならないでしょうに。
とにかく、プレイする価値はない、と断言するのに躊躇う必要を感じません。唯一、三田村茜だけが良かったので、彼女1人ならCになっていたと思われます。
何がいいのかわからないので、お勧めしようがありません。うーん……丸戸史明であればいい、という人にはお勧めできるのでしょうか。
誰から攻略しても別にいいんじゃないでしょうか(かなり投げ遣り)