シナリオ=A|グラフィック=B|キャラ=A|音楽=B|総合評価=A
システムはいつものGIGA。音楽は喫茶店らしくピアノを主体としたものが多いです。グラフィックは背景などがきれいに書き込まれています。OPムービーは神月社の最高傑作と言ってもいいくらい、いいです。他の作品はそんなに好きじゃないんですが、パルフェのOPは素晴らしい。これは見ておくべき。
エンディングはキャラクターによって多少の違いはありますが、Normal、True、Badの3種類があります。Badはキャラによっては相当痛いものも含んでますので、興味本位でプレイする必要もないような気がします。CGコンプ目的とかだったら別ですけど。Normalはやっておいた方がいいかな。
イベントシートで、見直したいイベントを確認できるのは助かりますね。
さて、攻略した順番にレビューします。
「てんちょ」「せんせ」という呼び方がツボった明日香。いろいろ見ているとあまり評価が高くないようですが、実は里佳子シナリオよりもプレイし直した回数が多かったりします。いやだって、一番ほのぼのしてていいんですよ、このシナリオ。これでひんぬーだったらもっと良k(ry
最初にファミーユ再建のためのアルバイトに名乗り出てくれた明日香。お約束通り、最初から主人公の仁が好きで、バイト中も家庭教師中も様々な色仕掛け(?)を仕掛けてきますが、主人公がなかなかしっかりしてて鉄の意思で手を出しません。
文化祭で「ファミーユ清女店」を出すことになったはいいけれど、ケーキが揃わず危機に陥った明日香が仁にヘルプを出さずに何とかしようとテンパッた時に入った電話。それでも頑固にヘルプを断る明日香を遣り込め、
「……お願い。助けて…助けててんちょぉ…」
と言わせた仁は凄ぇ、とか思っていたら、
「了解」
「え?」
「さ、ショーケースに並べるぞ。みんな手伝って」
やばいって。こんなことされたらそりゃ、誰でも落ちますがなwいや、明日香は最初っから落ちてるんですけど。明日香の頑張りとか仁のヘルプとか、ファミーユスタッフ全員の気持ちとか、色んなもんがこのシナリオの中には詰まってるなあ、と。
サプライズとかツンデレとか、そういうのではそりゃ里伽子や玲愛の方が上でしょうけど、清々しさというか爽やかさというか小悪魔っていうか……なんだろう、プレイした後の気持ち的に一番すっきりして「やって良かったなあ」と思えるのは明日香シナリオじゃないでしょうか。
受験を控え、ハードなバイトとの二足の草鞋がきつくなってきた明日香に下した仁の決定は「解雇」。受験が終わるまで、勉強に専念すること。もちろん、合格すれば元通りかそれ以上の生活が待っているわけで、一度リタイアしても必ずエンディングでもっと幸せな未来が待っていると思えるって点でもこのシナリオはいいと思うんですけど……なんで人気ないのかなあ?
これは……うん、別に悪いってわけじゃないんですが、これ以外のシナリオの出来が良すぎて霞んでしまった感じでしょうか。キッチンもフロアも、の万能プレイヤーならではの悩み。器用貧乏って言葉がありますが、アレでしょうね。けれども本人は実家が和菓子屋だから、お菓子作りに情熱をかけたくて。
見所はファミーユで働くことの正当性をどうしても言い切れず、苦し紛れに仁との関係が云々と嘘をついてしまったことにより、その実家の和菓子屋ですごい腕前を持ってる姉がやってきて恵麻とお菓子対決をする場面。真剣に見てもギャグとして見ても面白いです。
そこは上手くいったとしても、本人の問題である、お菓子作りで恵麻を超えられないこと=ファミーユではキッチンプレイヤーになれないこと、は解決できるはずもなく。悩んだ末に向いのライバル店「Curio」へ移籍。結局のところブリックモールで行われたバレンタインフェアでの恵麻との決戦。
先は読めるものの、楽しさ、という点では一番楽しいシナリオでした。
実はあまり印象に残ってないんですよねぇ、メインヒロインなのに。どっちかと言うと電波系、シナリオも何か色々と絡めすぎちゃって集中できなかったからかな。
義妹である玲愛との仲、音楽、仁との関係、と様々な問題が絡んで進んでいきますが、どれもちゃんと解決されるもののどれにも集中できませんでした。後は……エロシーンが特殊すぎたのも原因か。
金髪ツインテールのツンデレ。基本。真理。
向いのライバル店「キュリオ」のフロアチーフ。最初っから喧嘩ばかりという、ツンデレっぷりを発揮してくれる玲愛。フランス人の祖母を持つために見た目欧風、でも実家からドロ付大根などの野菜が送られてきたり料理は和食が得意だったりと中味は純和風。そのギャップがまた堪らない。
学園モノだったら役どころは委員長なんでしょうね。真面目なので喧嘩しているように見えても実はその内容は仁へのアドバイスになっていたり、ライバル店だけど正々堂々と勝負したいという気持ちが、言わずにはいられなくさせ、でも素直にそう言えないことが何だか喧嘩みたいになってしまうという「委員長風ツンデレ」。
シナリオもその真面目さが生起させた、本店からの呼び戻し=仁と会えなくなる、でも玲愛は生真面目に仕事だからと割り切って……という問題がクライマックスになります。
全体的なコミカルさは前2本のシナリオと同様で、里伽子発案のファミーユ・キュリオどちらをも巻き込んだ罠に引っかけるなどシリアスの中にもコミカルさを上手い具合に織り込んでいます。エンディングはもちろんハッピーエンド、誰もが望んだ形で仁と玲愛の結婚とファミーユ本店の再建を見せてくれるので、最初から最後まで大満足の1本であることは間違いなし。
ブラコンお姉ちゃん。お姉さんはそもそもストライクゾーンから外れているので期待もあまりしませんでした……結果もまあ、それなりで。
シナリオはブラコン・シスコンがそのまま恋愛になるまでの葛藤を描くという、ありきたりと言えばありきたりな内容で、印象に残るのがえちぃシーンばかりという微妙な感じ。
ラスボス。
他のシナリオでアドバイスはするのに頑なにファミーユへの復帰を拒む理由がすべて、このシナリオで語られます。
本店の焼失から話は絡んでくるので、この「パルフェ」の根幹に関わるすべては里伽子シナリオをプレイしない限りわかったことにはならないでしょう。
何が見事かって、伏線の貼り方ですね。立絵から一枚絵、台詞のひとつひとつに至るまで慎重に伏線を張り巡らせているので、里伽子シナリオのクライマックスで彼女がどうしてファミーユに復帰しないのか、その理由が明らかになるところでは「なにっ?!そうだったっけ……あ、本当だ」と他キャラを含めて今までのシナリオを読み返したりCGを見直したりするでしょう。
ラストシーンなどは感動もの。2人で血の滲むような努力をして子供を抱けるようになった里伽子の涙が、プレイヤーの感涙を誘う。本来、「感動」とはこうあるべきですね。
誰かを殺せば感動シナリオになるだろう、と安直な考えを持っている多くのシナリオライターに見習って欲しいシナリオです。
誰にでも。但し、丸戸マンセーな人にはお勧めできないっていうかそういう人はもうプレイ済みでしょうけど。
幼馴染と妹がいなければプレイしない、という人も、立ち位置的に「幼馴染=里伽子」「妹=明日香」と脳内で置き換えてプレイしてみてくださいw
明日香とかすりは単独、玲愛・由飛に恵麻・里伽子をセットで攻略を推奨。
かすり→由飛→玲愛→明日香→恵麻→里伽子