lisianthus.me.uk

index > review > ToHeart2 AnotherDays

ToHeart2 AnotherDays

ToHeart2 AnotherDays/Leaf

Einschätzung

シナリオ=C|グラフィック=S|キャラ=B|音楽=B|総合評価=C

Überblick

はじめに

ようやくレビューです、TH2AD。何かこう、巷の噂が酷かったもんでなかなか手を出せずにいましたが。

ノベル系のテキスト表示から一転、ウィンドウ表示に変わりましたが、バックログがウィンドウ内部にいっこずつしか表示されないので見辛い。でもログに応じて背景や音楽まできちんと変わるのはいいですね。ただし、普通ある音声の表示は出ません。つまりクリックしないと音が出ない。そこら辺はどうなのかな、面倒だから自動で音声流してくれと思う人もいるかも知れませんね。
セーブは99箇所。充分過ぎるほどに充分。音楽はXRATEDの使い回しにプラスα、立ち絵についてもイルファの表情が殆ど変わらないなど、新規攻略キャラ以外はそれほど手が込んでいません。但し、このみの私服がきちんと秋用に変わっているのはG J ! ていうか要するにこのみさえきっちりあればそれでいい。

グラフィックは相変わらず素晴らしいので文句のつけようがありません。システム周りにも、さきほどのバックログを除けばまったく不都合なし。

その他事前情報

WinnyやShareがインストールされているとタイトルバーのバージョン情報の後ろになにやら記号がつくようですね。何のためなのか理解に苦しみますが。

さて、情報は特に必要ないとは思いますが、今回攻略対象となるのは「まーりゃん先輩」「菜々子」「よっち」「ちゃる」「ミルファ」「シルファ」「郁乃」「このたま」、春夏さんは攻略というか、どうにも違うっぽいです。まあ、このみストとしてはこのみさえいれば後はどうでもいいんですけど。

さて今回は攻略順にレビューです。

菜々子

さすがにここまでお子様だとちょっと……という気がしたので、さっさと攻略してしまいます。

XRATEDではるーこシナリオでサブとして出てきたわけですが、るーこがああいう終わり方をした以上、一体どうやって繋げてくるんだろう、と思ったらここで絡んでくる主なキャラは、まーりゃん先輩でした。なんか、るーこがいなかったことになってるっぽいのがちょっとブルーですね。あのシナリオからしたら当たり前っちゃ当たり前なんですけども。

話そのものはいたって単純。擬似兄妹の関係からごにょごにょ、ってところ。なんていうか、評価しにくいなあ。貴明の対応にしても展開にしても、どうにもならないって程酷くはないけれど、良かったといえるほど良くもなかったということで。あ、もちろん18禁な展開はありませんよ? さすがにねw

まーりゃん先輩

XRATEDで最も攻略したかったキャラ。はちゃめちゃぶりもいい。まーりゃん先輩が攻略対象になっただけでもAnotherDaysの価値はある、と断言……したい。したいけど、さて内容はどうかプレイしてみないことにはねぇ、ということで待ちきれずにプレイですよ先輩(誰だ

相変わらずの暴走が面白いですね。登場からして生臭いぼろ雑巾みたいになってるとか、ささらをニューヨークから荷物扱いで空輸するとか、滅茶苦茶だなあ。卒業したのに制服着て学校来てるってのもどうかと思いますが。
……ああ、でも「世界制服の第一歩は練馬から!」とか言ってましたしね。あれ? でもあの台詞って鳥坂先輩でもたわばさんでもなく、成原博士だったような。ま、いっか。

「……世紀末おたく伝説、マッハ萌えドル・朝霧麻亜子の『メルトダウン』?」
『ついに爆誕、歩く核不拡散条約!まーりゃんりゃんのぱきゅ〜ん♪
ぷちぃ♥ヴォイスとぷっきゅん☆ボディがアナタのCOCOLOをにゅ〜くりあ〜』
意味わからん。

うん、意味わからん。だがそれがいい。
ちょこっとずつまーの人を見直す場面が入っていたりして、おお、割とイケるシナリオじゃないですか、なんて思いつつ激辛地獄鍋の後の遊園地。貴明がずいぶんと安易に流されまくってる気がするけど、まーりゃん先輩の私服がこれまたイ・ケ・てるので万事おっけー。

「苦労したんだぞー? 注文してから納車されるまで10年かかったし」
いかにも紙で出来てそうなこのボディ。いったい、どこから拾ってきたのだろう。
「それは誤解だぞ。紙じゃなくて、強化プラスチック」
環境に悪そうな排ガスを出してますが。果たして、日本で走っていい車なんだろうか、これは。

トラバントですね、わかります。ていうか、ほんとにどうなんですかね? トラバントって、日本の公道を走れるもの? 何かこう、環境関係の規制でダメだってんなら、クラシックカーと呼ばれる類は全部ダメなような気がするんですが。

「地図で右と左、どっちが東でどっちが西かわかってます?」
「ほら東に西って名のつくデパートがあって、西に東って名のつくデパートがあるじゃん。ちょーばっちしだよ」

池袋ですね、わかります。
しかし、ネタが多いのはいいけど、全部わかる人っていないんじゃないかなあ。

そんなこんなでまーりゃん先輩が「世界に飽きたから」というだけで学校を占拠してしまったり、それに対して先生も黙認だったり、対抗して生徒会を中心とした女子生徒VS聖☆まーりゃん帝国傘下の男子生徒の戦いが勃発したり、そこにるーこが出てきてまーりゃんと戦ったり、なんかもうド凄ぇ超展開になってますが、まーりゃんシナリオだしね。
それで納得できるのか、と言われるとですね……ま、シナリオ重視している人は絶対に納得できないだろうなあ。
でもしょうがないよね、由真・愛佳・姫百合姉妹・HMX17シリーズ三姉妹・るーこ・菜々子(とその友達)・花梨、優希を除くほぼすべてのキャラをちょい役であっても出してきてるし。そういう意味でも純粋にファンディスクだと思えば、かなりお得かも。

まあなんだ。学園祭前の生徒会室なのになんでこうも役員がいない日が多いんだとか、ちょっと演技されただけでそこまで流されるのか貴明よとか、いやもう、これエロとギャグが書きたかっただけじゃね?とか、色々突っ込みどころも満載ですが。まーりゃん先輩の「めんちゃい」のポーズが可愛いからすべて許す。

小牧 郁乃

珍しいことに、協調しない2つの感想が浮かんでいるんですけどね。ひとつはファン舐めんなよで、もうひとつはまあ、これはこれでという感じ。

ぶっちゃけて言えば「バウム」とかはもう何それ、冗談じゃないよ、そんな新キャラいらないから。というかなかったことにしとくわ。
って感想。うん、そんなキャラはいなかったし、そんなシナリオはなかった。ここら辺はちょっとファンを舐めすぎ。ここまで「河野貴明」が主人公だという意識でやってきたのに、いきなりそんな新キャラ受け入れる訳あるかぼけ。

ただ、その他のシナリオは悪くなかったと思う。郁乃の心情は過不足なく描き込まれていたし、XRATEDの補完としては恐らく最も出来のいいシナリオではないでしょうかね。二次創作の面から言っても色々と公式設定として膨らませられる余地が広がったんじゃないかな。私は書かないけど。

ただ、ねぇ……ToHeart2→XRATED→AnotherDaysと来て、更に稼ぐつもりなんでしょうか? そうじゃないんだったら、Ver3までキたらもうきっちり決着つけてくれた方が良かったとは思いますよ。みんながみんな二次創作してるわけじゃないしね。

まとめれば、想像の余地を残してくれたことに関しては良作、それ以外の意味ではちょっとどうよ、って感じ。郁乃ファンならプレイしないことをお勧め、郁乃についてはそれほどでも……って人はプレイする価値はあります。

吉岡 チエ

誰だ、おまいは。

いやあ、この一言に尽きるかな。貴明がヘタレすぎていて、もう見てらんない。未読スキップの出番が非常に多かった。

加えて、このみを単なるダシにしか思ってない貴明とよっちがどうにも受け入れられない。

親友が幸せになって欲しいから、というのはまだわかるとしても、だからと言ってそれに煽られて「頑張ってこのみに告白してみるよ」とか、もうね、ヴァカか、アフォかと。とりあえずこいつら2人とも死んどけ、としか言えないシナリオ。特にこのみストにはお勧めできない、というか絶対プレイしちゃダメ

唯一の救いは、このみ自身の貴明への気持ちが幼馴染でしかなかったこと。最後の最後でちゃるから語られる一連の事柄。この2つがなかったら地雷どころじゃなかった。ま、それでもダメなものはダメなんだけどね。

よっちがこのみを呼び出して謝った時の、「ほとんど気づいていた」というこのみの大人な対応が良かったわけでして。
結局のところ、これも一種のこのみゲー?(ということにしておこう)

山田 ミチル

眼鏡属性はないんですが、XRATEDの時から攻略したいキャラであったことも確か。よっちシナリオがどうにもならないレベルだったので恐怖を感じつつもプレイ。

この貴明は、鈍感だけれどもヘタレていないですね。ライターが違うのかな。まずはお見合いからちゃるを救いだすところから。雄二からちゃるを救出したはいいけれど、そこでうった大博打の内容が「ちゃるが好きだから」、とくればその後も当然恋人同士のフリだけはしていかなければならない、と。

XRATEDでは九条院三人娘にデートを見せ付けなければならなかったタマ姉が、今度はその三人娘の立場になっていたり、雄二やこのみ、ささらやまーりゃん先輩たちもちょい役というよりはもうちょっと踏み込んだ感じで絡んでくれているのが、ToHeart2本編に比べても遜色ないくらいいい出来。

ちゃるの覚悟とか勇気とか、あるいはタマ姉の気持ちとか、色んなものをぎっしりと詰め込んで、それでいてきっちりと魅せてくれたシナリオ。キャラは崩壊していないし、本筋や展開に破綻も見られない。これは誰がプレイしてもかなり高い評価になるんじゃないですかね。

恋人のふりをしているだけ、というのが山田家にバレて、初の寺女との協力関係でやってきた演劇もお流れに。そしてちゃるには新しいお見合い候補が。その先は読めてしまうものの、ここでタマ姉たちがこれまたいい味出してくれたりと、勢いに乗って早急にシナリオを進めないのも素晴らしいですねぇ。
うん、これはなかなか良シナリオであると断言できます。TH2ADはちゃるシナリオのためにプレイしても損はない、と。

河野 はるみ

これほど、最初の印象が途中で変わるキャラというのも珍しい。

最初はダーリンダーリン煩いなと思いましたが、部活の辺り、要するに自分のメイドロボとしての現実と、人間のようでありたいという願望の葛藤が現れる辺りから目が離せなくなり、交換日記を貴明が雄二に代筆頼んだところでは、そうと知らず喜ぶはるみの姿を見て貴明に殺意を覚えたり。
まあ、ちゃんと貴明から白状したのでいいんですけど。

この、交換日記の部分がまず最初のひと山。

「じゃあ、彼女にそう言えば?」
「君とはいい友だちでいたいんですって。口で言うのがはばかられるなら、それこそ交換日記に書いちゃったら?」
「彼女は友だちなんでしょう?
少なくともタカくんには、それが事実じゃないの?」
--
「最近のタカくん、ずるいわ」
「なんでも、女の子が苦手だから、に逃げちゃうから」

と、どうすればいいのかわからない貴明に柔らか〜く、でもうじうじしてる貴明の問題の本質をズバリと言ってしまう春夏さんや、

「タカ坊、あまり私を幻滅させないで」
「いま引き止めておかなかったら、泣くのはタカ坊じゃなくて、はるみちゃんの方なんだから」

白状した後、怒ったはるみが、唐突に雄二と付き合うと言い出してべたべたし始めたのを見たタマ姉など、今回も脇がしっかりと貴明を固めてるのがいい。これがないと貴明1人で何でも解決しちゃうのも違う気がするしね。

これで幸せになったかと思いきや、話はまだ続く。ここまでのシナリオではなかった展開だけに、いや〜な予感が過ぎりましたが、まさかのシステムダウンとは。貴明じゃないけど、考えてみれば伏線は沢山あったのにここまでのはるみの強力な萌えフィールドにすっかり失念してたなあ。

記憶を失ったミルファに何とか近づいても、また離れていく、ということを繰り返してようやくクライマックス。記憶が戻らない限り、はるみ=ミルファではないわけで、こういう「今までの努力を無に帰してしまうような記憶喪失モノまたは生まれ変わりモノ」シナリオは好きではないんですがミルファもはるみも可愛いから許す。ちゃんとハッピーエンドだしね。

HMX-17c シルファ

XRATEDで会話の中でだけ出てきた時には、まさかこんなキャラだとは思わなかった。いい意味で予想を裏切ってくれた見本みたいなキャラですね。よかった〜、シルファのSS書かなくてw 無理、こんなの予想できないって。

「とっとと起きやがれ、愚民」
「エサがれきてるから、とっとと下りてくるれすよ、ご主人様」
「とっとと、ガッコへ行っちゃえ!」

舌ったらずな言い方とか。ほんと、まさかこんなだとはねぇ。

精一杯の嫌がらせをして、頬を赤らめながらつーんとすましてる様子は、いったいどこのメガトン級萌え爆弾だよってくらいに可愛らしいですね。ミルファとは正反対、ううむ、どっちも捨て難いなあ。
こんだけ悪態吐いてるのに、

「シルファちゃん、タカくんのこと、すごくすごく好きなんだね」
「やっぱり……そうかな。
なんだか、嫌がらせみたいな量でご飯作られたり、踏んづけて起こされたりされたんだけど、悪意は感じないんだよね」
「そういうのって、小さい頃、あたしやタマお姉ちゃんしてたもんね」

と、このみにすら見透かされてるのも微笑ましい。ていうか見透かすこのみが萌え。もはやこのみなら何でもいいという末期症状的このみストのサガですが。

それでも、そんな末期的というか既に手の施しようもないこのみストから見ても、このシナリオは良かったです。色んな評価を見ても、最も高い評価をつけている人が多いなあ、と思っていましたが、納得。特にネタばれはしませんので、是非プレイを。

このみ&環

イヤッハァァァァァァ!!

このみとタマ姉ですよ、このみとタマ姉! 何、この盆と正月がいっぺんに来たみたいな組み合わせ! いいの? ほんとにいいの、こんな素晴らしいシナリオがあって!<おちけつ

「男でも女でも、好きな相手に色々としてあげたいって思うのは、当然のことじゃないかしら」

「もっともっとタカくんと一緒にいられるんだよ。それだけでもうドキドキするくらい嬉しいから」

いやもう、この2人やっぱ最強っスから。幼馴染ばんざーい!

タマ姉が貴明と会えないよう、父親に仕組まれて帰省が阻まれていたということは、向坂家は貴明とのことを反対しているってことで。それなのに結局こうなっちゃって……いいのか、向坂家?

「タカくんと一緒に乗るの、ずっと楽しみにしてたんだよ」
「うんうん、今このみがいいこと言った」
「……うっ」
「……ダメ?」
(ぐっ、その上目づかいも反則だっ!)

今ライターがいいこと言った!

このみの上目づかいに耐えられる男なんて男じゃねぇ。

「感心ね。早起きは三文の徳って言うし、朝早く起きることはいいことよ」
「三文……ねぇねぇタマお姉ちゃん。三文っていくらぐらいなの?」
「ん? そうねぇ……今で言うと大体60円くらいって話だけど」
「ええっ、それだと安すぎるよ。タカくんと一緒の時間は……もっともっと大切なのに」

こんなこと言われて堕ちないやつがいたらちょっとこい。修正してやる。

「もちろん、雄二も一緒なんだよね」
「え……?」
「って、なんだよ、その沈黙」
「ああ、雄二ね。誘ったんだけど、都合が悪いみたいよ? ええ、間違いなく」

タマ姉、ひでぇ……でもまあ、お約束。

こんな感じで七夕とクリスマスが同時にやってきたみたいな素晴らしい展開の嵐。ストーリー的には、TH2Xの、このたまルート後ですからそれほど大きな山場があるわけではありませんが、このたま萌えの人間をこれでもかっ!ってくらいに満足させる場面がてんこ盛り。うん、こういうシナリオを待っていたのだよ、チミぃ。

結局、心の中では結論が出ていながらも貴明がはっきりとそれを2人に明言するシーンがなかったのはどうかと思いましたが、あらゆる意味で凄い破壊力だったので、それだけでもう良作判定。素晴らしい。

柚原 春夏

いやいやいやいや、ちょっとこれはないっしょ。いえ別に、人妻だからとか言うつもりはありませんが、あまりにも春夏さんの貴明に対する態度が……なんつーか、幼い頃から見てきた隣の子に対するものじゃないし、からかっているにしては執拗すぎ。

貴明がマザコンだなんて伏線はXRATEDにもないし。なかったよね?

ぶっちゃけプレイする必要はなし。

Empfehlung

お勧め

郁乃ファンにはお勧めできません。これは確実。
他のヒロインの場合でも、割とルートによる、というのがありますね。このたまルートも「これはハーレムルートだ」と割り切らないとただ流されただけのシナリオに見えてしまう可能性もあります。
あとは、よっちルート。これは特にこのみストは要注意。できればプレイしないこと。

基本的には、「XRATEDのファンディスクだ」と思ってプレイすることをお勧めします。それでなら大体の人が大満足できるんじゃないでしょうか。

あ。当たり前ですが。XRATEDやってない人にはお勧めできませんよ?

推奨攻略順

本編+郁乃Story+このたまStoryの3編になっています。おまけで春夏ルート。ただしこれはどちらかと言えばハーレムに近い……それも何か違う気がしますが。まああまり気にせずに。もちろん、このたまは最後。お約束。真理。エビフライは最後なのでありますよ、隊長。

そんなわけで、効率を無視すると、

本編【よっち→菜々子→まーりゃん先輩→ちゃる→ミルファ→シルファ】→郁乃→春夏→このたま

ですね。郁乃編は展開が3つありますが、その辺りは攻略サイトを参考にしてください。