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(管理人注)2009/02/27に掲示板に投稿されたものです。掲示板の閉鎖に伴い、HTML化しました。
ToHeart2 - 二つの思い、一つの未来・外伝
書いたひと。ADZ
十五年。瞬く間に通り過ぎた時間。
昔の自分だったら、未来があるなんて考えもしなかった。
そして自分が子をなすなんてあり得るとは思わなかった。
あの時私は死を覚悟していた。
貴明が聞いたら怒り出すだろうか。それとも泣き出すだろうか。
今まで誰にも言った事は無いけれど、あの頃の私は例え自分の命と引き換えにしてもこの子をこの世に送り出す。
そう覚悟して、そして自分の身体が耐え切れはしないだろうと諦めにも近い想いを抱えていた。
でも、夢を見た。私のいなくなった世界の夢を。
どこか寂しさを抱えたまま生きている彼の姿を見て、私は悲しくて、申し訳なくて仕方が無かった。
だたの夢だったのか、それとも何かの暗示だったのか。
あれの意味成す事はいまでも判らないけれど、あの時私は生きたいと願った。
強く、ただひたすらに強く望み、だた貴明と一緒に、まだ見ぬ我が子とともに暮らしたいと、ただそれだけを思って願った。
腕を動かす事も出来ないほどの疲労の中で眼を開いた時、真っ先に私の視界に映ったのは泣きそうな顔をした貴明だった。
よかった、よかった。あいつはそう言って私の髪を撫でて、無事に産まれたから、女の子だからとぼんやりとしている私に向けて話しかけていた。
その時私は、またここに戻って来れたんだと、そう思った。
またこうして一緒に居られる。その事に安堵して私の意識は再び沈み込んだ。次に目覚めたとき、私はようやく我が子を腕に抱く事が出来た。
そう、十五年だ。あれからそれだけの月日が流れ、あの子は今日あの学校に入学する。貴明と私が通っていたあの校門をくぐるのだ。
懐かしい制服(何度かマイナーチェンジはされたそうだが、色はあのころのままだ)の袖に腕を通し、どこか照れた顔をする娘を眩しく感じる。
その姿に、私はため息をこぼす。どうしてこうなったのだろうかと、思わずにはいられない。
どうして、どうしてこの子はこんな……
「胸が大きいのよ。DよD。AとかBどころじゃなくってDカップよっ! 私の娘なのになんでよっ!?」
「落ち着けいっ!」
「私はAしかないって言うのに、あの子は姉さんより大きいってどういうことよっ!!」
「あれ? 郁乃はAすら無かったはずじゃ……」
「どやかましい」
「どぐふぁっ!?」
「あ、お母さんの辞書に殴られたお父さんが秋の木枯らしに吹かれて舞い散る木の葉のように崩れ落ちました」
納得いかないのよっ!
おわれ。
ADZの言い訳。
正直すまんかった。つい思いついて二十分ほどで書いた。
今はそれとなく反省しつつ次のを考えていますw
ではまた。