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あまなつ

chuable soft

Einschätzung

シナリオ=B|グラフィック=C|キャラ=C|音楽=D|総合評価=D

Überblick

はじめに

システムで不備なし。ディスクレス起動可、非アクティブ時動作可。セーブコメントは自分でつけられません。割と使うんですが、まあ無くても別に問題はなし。
オープニングはなかなか。プロローグ……なのかな?最初からアニメが始まって台詞もちゃんと出て、そのままオープニングに続いていくって感じです。最近はアニメ化が流行ってるんでしょうか?
主人公の「彼方」という名前はどうしてもSNOWと被ってしまうし、そもそもこんな名前の人間見たことないんですが、ゲームだしね。彼方自体はギャルゲの主人公にしてはへたれてない感じ。家に入ってすぐに位牌に手を合わせたりちゃんと挨拶したりと、細かい部分で礼儀正しさを出しています。
CGは背景がちょっと気になるところ。線が直線的でパースが狂っている(彼方の部屋とか)ものがあったりしますが、人物やイベントCGはいいんじゃないでしょうか。変な癖もなく、きれいな絵だと思います。
攻略は異様に簡単。マップ選択式ですが、次に行くべきところが「Next」と書いてあるので迷うことはないでしょう。選択肢もわかりやすいものばかりです。シナリオに集中したい人にとってはとっても親切設計。

共通部分

まず、全てハッピーエンド、しかも妙に大人な正論をぶちかましませんので、その点は安心してプレイできます。

母親を「人魚の呪い」で亡くしている主人公が、父親の長期出張を機に田舎へ帰ってきて……という、ちょっとファンタスティックな部分を含む普通の学園もの。人魚だからと言ってオカルトチックでもなく、全体の雰囲気は悪くないと思います。

ハスターリ、プリンチペス、トリアーリって新兵(ハスターリ)、古参兵(プリンチペス)、熟練兵(トリアーリ)のことですよね?『ローマ人の物語』では頻繁に出てくる言葉で、もしかしたらこれはローマの軍制だけでなくもっと一般的な名詞なのかも知れませんが、愛読している人間にとっては違和感バリバリ。

……ん?6,3,3制で下からハスターリ、プリンチペス、トリアーリ、で彼らがプリンチペスの3年ってことはこいつらってちゅうがk……がすっ!<何かに殴られたらしい

とりあえず、中○生らしく初々しい雰囲気で話は進む第2話「お嬢様は『先輩』がお好き?」で初めてショッピングモールが出てきますが、これって佐世保?なんとなく佐世保の駅前に雰囲気が似てる、ってのはどうでもいいことで、桜子との関係の進展が急だと思ったらなるほど、兄の姿を重ねてるだけですか。それはそれで納得はするけど、凄いブラコンだw

サブキャラも結構絡んできます。みんなでワイワイという感じで共通ルートは進んでいきます。いろんなイベントで結局全員が絡んでくるってのはなんとなくご都合主義っぽいですが、それぞれのシナリオで彼らサブキャラが非常に魅せてくれます。はるさめでは空、涼香では紗智、といった風にサブキャラがきっちり絡んでいいとこ魅せてくれるゲームはいいですねー。

ソフィア・由花莉・三島

最初に攻略可能な2人。

ソフィアは最初から「私は神様と結婚した」シスターなので、その問題ってのはわかりきっていることで、というかそれしかあり得ないというか。それをどう解決するのか、ってとこですが……シスターで先生、二重の問題があるにも関わらず、割とあっさり解決。懺悔ひとつで済まされてしまうのって、随分とまあ……ん、いいんですけどね。

他のヒロインたちもそうなんでしょうけど、全体がほのぼのと軽いノリなのでどんなご都合主義も許せてしまう。こういうのはいいですね。彼方もしっかりしてるし。

クライマックス以降、完全に彼方の我侭に大してご都合主義を炸裂させた、としか言いようのない流れでラストへ爆走しますが(ついでに真魚も爆走しますが)それすら許せる。書き込みが足りないと見るか余計な表現を省いたと見るかは人それぞれですが。

はるさめ

涼香を先に攻略しようと思ったんですが、2週目で追加されるのは涼香を除いた3人。幼馴染な真魚は最後に、ってのはもうデフォルトですし、妹キャラな桜子もあと、あと。となると次に攻略するのは決まってくるわけでして。

いきなり意外な事実。5ヶ国語を話せるはるさめ。しかもIQカウンターストップw

で、このはるさめルートですが、さすがにキャラクター特性通り、なんともコミカル。

はるさめ:制服→脱ぐ→すっぽんぽん
普     通:制服→脱ぐ→???→脱ぐ→すっぽんぽん

それなのに、このシナリオでの彼方は一番大人でへたれてないんじゃなかろーか。

俺は俺の身の丈にあったことをすればいい。
背伸びして「おまえの全てを背負ってやる」なんていっても、そんな空言、こいつには鬱陶しいだけだろう。

猿に説教される彼方も笑える。新しいキャラクター、厳さんも色んな意味でおもろい。なんとなく「ゆのはな」の渋蔵を彷彿とさせます。

クライマックスはここまでの笑える流れが一転してシリアスに。じいちゃんの遺言に従って久世島に渡り、そこで明らかになる遺言の中身。まあ、身の上が身の上なだけに、春雨(本名は近藤春雨だそうです)は誰かに庇護してもらわないといけないことは確かなんですが、それはイコール別れということであって、とソフィアルートが目じゃないくらいに重〜い流れですが、ここで魅せてくれるのは空。はるさめのことを考えて、と別れ際に厳さんと一緒に離れて行くことに躊躇いを見せるはるさめに暴言を吐いて行かせようとした彼方に、

「模範解答なんざ聞きたくねーんだよ」
「大人ぶったやろうを見るとムカツクんだよ。あきらめるために正論吐いてるヤツを見ると虫唾が走る」
「ガキならガキらしく、後先考えずに突っ走れ!それがガキの特権だろうが…!!」

更に、明かされる(?)空の隠している事実。そしてエンディング。おおおおお……何だかイイですよ、このシナリオ。「この青空に約束を」のレビューでも書きましたが、中途半端が一番いくない。いいじゃん、異例の飛び級だろうが養子縁組だろうが同じクラスになろうが。いいじゃんガキで。ご都合主義の何が悪いか。子供は子供らしく、でいい。これくらいご都合的にやってくれた方が、ゲームやってんだなーって実感がするですよ。

……最後のマップ選択で砂浜に直行しなかった場合のエンディングは驚愕wま、まさかあの夢が正夢だったとは……

御園木 桜子

「ハスターリからプリンチペスに上がって、科目に英語が加わった」って、桜子さん?問題発言はやばいんじゃないか、と……

さて桜子ですが、最初から好感度MAXだけあってシナリオはよくある「告白されたけど自分の気持ちがわからなくて答えられない」系の、妹シナリオの王道ものです。ただ、実の兄が他にいるんだから、その辺が通常の妹シナリオと異なるところで問題になる部分でもありますねぇ。

このシナリオでの彼方はちょいへたれ気味なので注意が必要です。桜子とまともに話もしないで周囲に八つ当たりをしまくる。クライマックス周辺ではさすがにそれもなくなりますが。

兄関係が山場かと思っているとあっさり回収されますw本当のクライマックスは「人魚の呪い」にかかる桜子とそれを助けるために夜の海に入って人魚に会い、呪いを解いてもらうこと。さくっと人魚の鱗を手にし、エンディングとなりますのでソフィアと同様「簡潔でいい」と思うか「書き込みが足りない」と思うかは分かれるところでしょう。

風見 涼香

……これなんてマリみて?

や、いきなり紗智とキスしたり付き合いなさいって言ったり、涼香がご乱心するとは思いませんでした。新しい展開ですねぇ。このシナリオでの魅せるサブキャラは紗智。ここまで単なる騒ぎキャラだっただけに、この変貌ぶりは意外でかっこよかった。

クライマックスはやはり人魚の呪いなんですが、本当にそうなのかどうかが実に曖昧で今ひとつのりきれなかった感じがします。それにしても、自分のシナリオでも涼香のシナリオでも病気で動けなくなる桜子が哀れな気がしますね……。

綾瀬 真魚

や、ちょ、いきなり何しとるですかこの娘はっ

空が貸してくれたエロDVDに好奇心を煽られて見たがるのはいいですが……ナニを見たいってのは逝きすぎだろw
何というか、子供がお医○さんごっこしてたら好奇心で、ってなノリっつーのは実際にはあり得ないんじゃないかと思うんですが、どうなんでしょ。

真魚は九年前の、彼方が溺れたことや真魚が「人魚の呪い」で死にかかったこと、それに彼方の母親と真魚の父親が死んだことなど、物語の根幹にか関わるキャラクターだからこそメインヒロインなわけですが、その割にそう言った設定にまつわることにあまり触れられませんでしたね。途中、「つまり真魚は人魚と人間のハーフ?」と思えることもあったんですが、それが当たってるのか外れてるのか……

シナリオは良かったです。当人たちが別れるとか死ぬとか、そこまでぐだぐだになるような展開もなかった割には中だるみもせず進みましたし。ちょっと言うと、子供らしい軽さの中に人魚関係の話を少し織り込んで見ました的なライトさが良かった。

Empfehlung

お勧め

伏線というか、人魚関係の謎の回収は一切されません。ただ、主人公のヘタレ具合が低いことと、無駄に長くないこと、誰も不幸にならないし爽快なエンディングですべて締めていること、なので王道な夏・海の絡むギャルゲをお望みの方には合うと思います。

夏ものとしては「なつめろ」より一般的というか王道ですが……「くれいどるそんぐ」と同様で印象に残りません。「夏少女」のように、ふと再プレイしたいという気にもならないかなあ。あまりにも人魚の設定を単なるクライマックス用の小道具として使いすぎ、その回収を一切行わなかったのが問題なんでしょうね、きっと。

推奨攻略順

クリア制御がかかっていますので、最初はソフィアか桜子のみ。7月14日の選択肢で選ぶんですが……最初、そんなこと知らなかったから、いきなり2人しかマップ移動に出てこなかったので焦りました。しかも右クリックでメニューが出てくることに気づかず。説明書はわからなくなった時に読むものですよね?

はるさめシナリオが第一印象からは想像もできないくらいに良かったので、

ソフィア→桜子→涼香→真魚→はるさめ(砂浜直行END)→はるさめ(TrueEnd)

がお勧め攻略順です。