シナリオ=D|グラフィック=C|キャラ=C|音楽=D|総合評価=D
テキスト送りがホイールに対応していませんが、ディスクレス起動及び非アクティブ時動作には対応。セーブ箇所も問題なし、大きな不具合もなく良好です。絵は普通のギャルゲ。立絵の表情と台詞が合ってないなあ、と思う箇所がいくつかありましたがあまり気にするほどでもないでしょうか。
んがっ!
パッチ充てりゃ直るものの、声が完全にテキストとヒト会話分ずれるとことか、絵と演出と構成にもうちょっと気合入れようよ、って思ってしまうのはどうか。文化祭の水着審査なのに、背景がいつもと全く変わらない(人物すら描かれてない)中庭だとか、料理できないから手持ち無沙汰に立ち尽くしてるはずなのにCGの中で料理してたり、鉛筆でのスケッチのはずなのに描かれている絵が水彩で着色されてたりと、ちょっと興醒めしましたね。
更にっ!!
攻略対象になってるキャラとそうでないキャラ、ちゃんと区別してください……orz
公式サイトで、
【涼華・奈々・ゆかり・美月・司・小春・小夏・楓・一志】
の順番で紹介されているのに、攻略できるのは、
【涼華・奈々・ゆかり・美月・司・小春・小夏・楓・一志】
の赤太字のキャラ。奈々はお返しディスクで攻略対象になるようですが、ちょっとオカシイだろ、コレ。そのお返しディスクですが……まあ、違法コピー対策なんでしょうね。趣旨はわかります、わかりますが……やっぱり一つのディスクでちゃんと物語は完結させておくべきだと思います。それでも付録が欲しい、と思わせればゲームそのものの価値を高めることにもなるので、そこら辺り、メーカーにはよく考えて欲しいものですね。(→ゆかりレビュー参照)
オープニングはアニメーション。うーん……どうかな、まじぷりと同程度レベル、というところでしょうか。どうにもToHeart2 XRATEDとか、凄いオープニングアニメーションを見た後だとどうしても辛くなっちゃいますね。
音楽は普通。これと言って印象に残る音楽はありませんでしたが、まったく場面に合っていないということもありません。
一言で言うと、どうということもないシナリオ。それが悪いということではなく、共通ルートにあった、ダラダラとしてギャグも滑りまくってた状態よりは遥かに良かった。結局はCanvasのように春樹が絵を描けるようになるかどうか、という問題に収束されるわけですが、Canvasよりもその「描けるようになるまでの過程」はちゃんと描かれていたし、そこにきちんとヒロインである小春を絡ませることもできていたと思います。
ただ、物足りなさというか恋愛関係の部分で流れだけで通しきったという強引さは否めないものがありますねぇ。「妹のような」「今までの関係」を崩したくないという、ありきたりな設定と進行、多分プレイする前に予測した流れそのままだと思いますよ。
とは言え、くっついた後に何かぐだぐだがあるわけでもなく、最初から最後まで終始話はちょっとした、バタバタした小春の性格上当然ついてくるどたばたを加えつつ、まったりと進むので悪くはないです。
……小夏との○○○もありますしね。なかなかサービスいいなw
2人目は涼華ですが、やはり共通ルートが割と苦痛。なぜか必ず朝の正門で全員が集合してしまうってのも、寝坊しただの何だのと毎回理由をつけてはいますが、そもそもその前に「寝坊をしたことがない」と自慢していた人がいきなり寝坊するというのはどうか、と……その辺りの無理がだいぶ目に付いちゃいますね。
さて、問題は春樹が再び涼華が納得いくような絵を描くことができるようになるのかどうかということなわけですが、そこに司や意外なことに一志を絡ませ、涼華の今までの行動の原因も彼女自身に語らせたのは良かった、と思ったんですが。
え?ねぇ、これで終り?終りなの?
絵を描けるようになるまで、というのが小春よりはマシになってたと思うんだけども、終りがあまりにも雑すぎ。結局、幼馴染たちはどうした?とか色々疑問というかツッコミ所の多いシナリオになってしまいました。
バッドエンド(?)ですが、選択肢によっては司との3○もあり。やはりサービス精神は旺盛で、そこは素晴らしいw
相変わらずです。風呂場だから湯気を表そうとするのはいいんですが、まるでPhotoShopでフィルタ→描画→雲模様で作ったみたいなwしかも、どうして描画色が黒?
それにしてもまあ……なんというか、水泳部なんだけど水着が旧スク水なのはいいですね。<ぉ
とは言え。
だからと言ってシナリオがいいかとどうかは別問題でして、あれだけあからさまに言動で示しながら、好意に気づかない主人公というギャルゲのデフォ。2人ともがそれとなく気づいたり気づかれたり気づかせたりしながらも、真剣なところにまでは持って行かない……という所をうま〜く書き切れていればよかったんですが、どうも軽すぎる。というより、色んなことにテキストが飛びすぎてて、散漫。このゲームの最大の問題ですかね、これが。
全体の流れはまあ普通のギャルゲのおねいさんシナリオ。諦めきれない涼華が美月に勝負を挑んでくる、でもこれまたあっさりと勝負がついて終り、みたいな。色々詰め込み過ぎて、それらを上手に消化できなかったというシナリオでした。……ああ、もうそれはいいとして、とりあえず水泳の大会なのに学校のプールと同じだよ、背景がorz
ここまで、一言で言えば萌えが足りない、これに尽きる。唯一属性的にこれはっ?!と思ったのが司だったしなあ。涼華シナリオで○Pシーンがあるっつっても、ねぇ。
そんなわけで期待してしまうのはやはり、幼馴染。
幼馴染ですよ。<うるせぇよ
正確に言えばゆかり以外もみんな幼馴染ではあるんですけどね。
思うんですが(<突然なんだよ?)、他ヒロインのシナリオで健気に耐える幼馴染キャラを見てきているからより萌えるっての、ありますよね?(聞くな)
ただ、今回ゆかりにそういうシーンはあまりなかったので、多少の不安はあるわけです。しかも折角の幼馴染系をまたあっさりと描かれちまったら……とか。
とりあえず「もう、よっぴーって呼ばないでよぅ」と言われたい、キャラクターの設定的には定番の幼馴染であり、絵も悪くない。というかシナリオさえ良ければ萌えられるキャラであることは間違いなしなので、ちょっとの期待とたっぷりの不安を抱きながら攻略。
凄い展開の速さ。いきなり脱ぐわオ○ニーするわ咥○るわ、って、コレは別に伏字にする必要ないか。この展開のいきなりさ加減はどこかで……ああ、「あまなつ」の真魚シナリオに似ている。とまあ、最初は確かにそんな感じなんですが、中盤以降は流石というか単に幼馴染萌えの色眼鏡で見ているだけなのか……他ヒロインとは格段に違います。
割と早期にくっつくだけあって、そこまでの過程とか主人公の「お前、言ってることとやってること違うぞ?」って感じの言動はまあ仕方ない。問題は、ここまでの4人のように、ただ単に昔のような絵が描けない云々ってだけで終わってしまうのかどうか、なわけですが。
突然思いついたことを言っただけの、↑3段落前のやつが、まさか本当に拝めるとは。それがゆかりではなく奈々だったのが余計にいいです。ハーレムエンドはそりゃあ考え得る最高のハッピーエンドには違いないけど、物語に深みが出ませんからね。その点、今回は奈々という一人のキャラクターと、幼馴染という関係の2つを絡ませて、どこかが幸せになればどこかがその反動で幸せにならない、という天秤状態をうまく見せてくれました。そして、そうすることによって、より一層ゆかりの魅力も引き立っていたと思います。
奈々一人の我侭にせず、幼馴染全体の代弁者という形にしたことで、ようやくこのゲームが幼馴染のゲームなんだなあ、という感じになったし、奈々の印象を悪化させる危険性も回避できている。サブキャラを魅力的にする、ということについても、ゆかりシナリオは上手くできています。それなりにクライマックスも作れたし、乗り越えることに絵を絡めてきれいにまとめきっている。このゲームのシナリオ面で唯一誉められる、というかディスプレイに向かって逆ギレも溜息もつかずにプレイできるし、萌えも充足していたシナリオでしたねw
ただし、注意。
妙な趣向を入れています。「はじめに」で書きましたが、要するに違法コピー対策だと思われますが、エンディングを終えてのエピローグで、デートをする二人を謎の人物が見ている、という。
お返しディスクに「ゆかりアフター」がありますから、そこでその謎の人物が絡んでくるんでしょう。だから、気になるだろうけど、ちゃんと購入した人にしか見せてあげませんよ、ってことで。
とにかく「ゆかり」以外のシナリオはキツイのでお覚悟を。唐突、描写不足、かと思えばいらんところでウザイほど繰り返される遣り取り、演出での違和感、など挙げれば結構出てきます。ただ、「この青空に約束を」と違って根本的なおかしさではありませんので、そうですねぇ、王道とはいかないまでも普通の学園ものを楽しめる人ならいいと思います。
エロを求める人にも対応可。結構えてぃシーンはありますし。ツンデレはありません。また、全員ハッピーエンドになりますので、そこもご心配なく。
とにかく「ゆかり」を最後にプレイ。
【涼華→美月→小春→ゆかり】の順番がお勧めかな。