lisianthus.me.uk

index > fanfiction > ADZ > 郁乃との日々・番外編の四

今回短いです。
またもや郁乃の出番少ないです。
地の文も少ないです。
そして内容は季節物なのに時期外してます。

ToHeart2 - 郁乃との日々・番外編の四

書いたひと。ADZ

バレンタイン、それは少女たちの聖戦の日……かどうかはさておき。
義理チョコ一つに一喜一憂する愚かな男達の魔女裁判(もらえた奴には死を、
なノリで)開催日……かどうかもどこか遠くにうっちゃりかまして。
とりあえず二月の十四日を目前に控えたとある日の事。

このみ。

「さあこのみ、今ここに伝授するわよ。見敵必殺チョコを!」
「はいでありますよお母さんっ!」
「ちょっとまってください春夏さんっ! なんかふさわしくない単語がありましたけどっ!?」
「タマちゃん。細かい事を気にしてると大きくなれないわよ?」
「タマお姉ちゃんはうらやましいほど大きいでありますよ」
「それもそうね」
「ふ、二人とも何処見て言ってますかっ!?」

久寿川家宅。

「あのー」
「なんだねさーりゃん」
「確かに味見をお願いはしました」
「うむ。最初のほうは粉っぽかったりしたが五個目ぐらいからは中々美味いぞ」
「ありがとうございます。ではなくてですね」
「なんだね」
「出来上がった端から食べられてますと、明日の分がなくなってしまうのですけど」
「それはつまり渡したい意中の相手がいるという事かっ! だれだ、さーりゃんっ! この俺が仲を取り持ち面白おかしくトラウマになるほどのデートをセッティングしてやるぞっ!!」
「河野さんや向坂さん、あとお世話になっている方々に配る予定ですけど」
「なんだ、つまらん。惚れた腫れたじゃないのか」
「ですので、ここからのものは手をつけないでいていただけますか?」
「ま、しゃーないな。たらふく食ったし、ここまでにしておこう」
「……材料、もう半分も残ってないんですよね」
あさっての方向を見るまーりゃんだった。

由真。

「ゆーーーーーまーーーーーーっ!? そのやたらと豪華にラッピングされたものはチョコレートか? バレンタインとやらのチョコレートなのかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ! 誰だ、誰に渡すのだっ! まさか小僧かっ! あの小僧なのかーーーー!」
「違うからッ! 落ち着いておじいちゃんっ!!」
この方々はほっときましょう。

るーこ。

「るー」
「るー☆」
「るー」
「るー☆」
何も考えてなさそうな珊瑚と謎の会談中。

瑠璃。

「瑠璃様、何故私の停止コードをっ!」
「判っとくれ。これはうちらの、お互いのためなんや」
「瑠璃様っ! どうか、どうかこの拘束を解いてくださいっ! そして再稼動コードを!」
「無理なんや。うちにはできん」
「瑠璃様ー!!」
「……嬉々として自分にリボン巻く練習やうち宛に電波入っとるような文章のカード準備しとるの見たら、イルファを自由にしとくなんて 恐ろしゅうてできんのやーーー!」
「私の愛を受け取ってくださらないのですかー!」
「フフンフフーン♪ 上手く出来たっと。て、瑠璃ちゃんにイルファ、まだやってたの?」
「ミルファちゃん、良い所にっ! この拘束を解いてくださいっ!」
「なあミルファ。これ見てみ」
「なぁに?」
「妹に向けたSOSがスルーされましたー!?」
「チョ、なによこれッ! ちょっとイルファ、貴明に何する気だったの!?」
「バレンタインカード、うちへの分だけでなく、貴明の分まで用意しとったからなぁ」
「ああ、私はいけないメイドロボ。瑠璃様への愛を抱きながら、貴明さんとの生活も夢見てしまう罪深い女……」
「瑠璃ちゃん、今度の粗大ゴミはいつだったっけ?」
「ミ、ミルファちゃんっ!? まさかこの姉を捨てるというのですかーーー!?」
……こいつらもほっときましょう。

そして、小牧家。

「お姉ちゃん、それさ、材料余る?」
「んー。結構余るよ〜」
「……誰かにあげるの? 手作りチョコなんて」
「クラスの子とか知り合いに頼まれたの。一つ作るごとに実費プラス駅前のアイスクリーム一つで」
「いやまあ、いいんだけどさ」
「それで、材料がどうしたのかな?」
「うん、まあ私が食べる分も作って欲しいかな、て」
「そうなんだ。うん、いいよ〜。あ、そうだ。なんなら郁乃、自分で作ってみる?」
「うーん、それでもいいかな。……そのほうが都合も良いか」
「それじゃあ道具は置いとくから、終わったら言ってね。お手入れとかあるから」
「ん、判った」

十数分後。

「お姉ちゃんっ! なんでハート型ばかり残ってるの? さっきクマ型とか色々とあったわよね?」
「ごめんね〜。あれは借り物だから、返すの忘れないようにって鞄にしまっちゃったの。もう夜も遅いし」
「く……。判ったわ。まあ形で味が変わるわけでないし、いいわよ」
「河野君、喜んでくれるといいね〜」
「なんでよっ!?」
「なんでだろうね〜」
「どうしてニヤニヤするのよっ!?」

「ところでさ。クマ型って誰に借りたの?」
「姫百合さんとこのミルファさん」
「……なんでよ? 接点あったの?」
「最初はクマ型で作るつもりだったらしいけど、自分で型を作ろうって思い立ったんだって」
「どんな型なのかしら?」
「さぁ?」

ついでに夕方頃の草壁優季。

「聖バレンタイン。夢を求めるのかただお祭りに参加する気分なのか、それとも現実的な考えからなのか。人によって変わって来ますけど、そんなイベント間近に買い物している女の子は、輝いているとは思いませんか貴明さん」
「いや唐突に話しかけられてもどう答えていいものやらと。それと何をしているのですか草壁さん」
「アルバイトです。チョコレートの店頭販売の。由真さんも買っていかれましたよ」
「いや由真がというのはある意味びっくりですが、何故にそのようなバイトを?」
「気になる人の事を考えながらドキドキして、チョコを選んでいる女の子を見守っていると、なんだか胸の奥が暖かくなるんですよ。がんばれー、て心の中で応援するんです。そしてバレンタインをきっかけにして上手くいく方がいれば、素敵な事だとは思いませんか?」
「はあ」
「さて貴明さんが通りかかったのも何かの縁です。この試食用のをお一つどうぞ。きっと明日は貴明さんにとって素敵な日になると、私は信じています」
「ええっと、ありがたくいただいておくね。それじゃまた」
「はい、お元気で」

「実は郁乃さんが落ち着き無くあちらのお店こちらのお店を覗いていた事は、内緒にしておいたほうが素敵ですよね、環さん」
「……私がいるの、気が付いてたの」
「はい♪」
「(この子、なんでこんなに楽しそうなのかしらね)」
柚原家宅でのチョコレート造りの途中、材料の買い足しに出ていた環であった。

当日。

「向坂さん、いつもありがとうございます」
「く、久寿川先輩が俺にっ!? 春かっ! 俺にも春が来たのかっ!?」
「あ、環さん。いつもありがとうございます」
「あらありがとう」
「ほわいっ!? て、何故そこで普通に受け取りますか姉貴っ!!」
「……九条院にいた頃、良く貰ったのよね」
「と、言うわけでっ!」
「お姉さま、私達からの気持ちをっ!」
「受け取ってくださいませ、て居ませんわっ!?」
「そういえばいたな、この三人」
「足はえーなタマちゃん。あっという間に姿消したぞ」
「あ、まーりゃん先輩。これどうぞ」
「うむ。散々昨日食べた気もするがありがたくいただいておくぞっ!」
「……俺の春はまだ遠いな〜」
「お姉さま、どこですかー!」

「ミルファちゃん、そこをどきなさいっ!」
「引かぬ、媚びぬ、省みぬっ! 貴明にチョコ渡すのは私だぁぁぁぁぁぁ!」
「二人とも元気ええなぁー」
「さんちゃん、うち疲れたわ……」
「貴明さんには私の愛がこもった『デフォルメイルファチョコ』を食べていただくんですっ!」
「そんなちんちくりんな人形みたいなのが何よっ! 私なんて胸で型を取ってリアルに再現してあるんだからねっ!?」
「く、なんて印象的な物をじゃなくてはしたない真似をっ!」
「誰がはしたないのよっ! 色ボケイルファに言われたくないわよ!」
「何をや。何をリアルに再現したんやっ!?」
「うちも一緒に型とったで〜。ほら〜」
「さんちゃんも何しとるんやーーーーーーーっ!?」
「そしてイルイルとミルミルがいがみ合っているあいらにシルファが渡しにいくのれすよ」
「シルファ(ちゃん)、あんた(あなた)も敵かーーーー!!」
「ひゃうっ!?」
「うち初めて『雉も鳴かずば撃たれまい』を眼のあたりにしたわ」
「るー☆」

「るー」
「にゃ〜」
「るー」
「にゃ〜?」
やっぱりほっときましょう。

「はい、お爺ちゃんの分」
「おお、おぉぉぉぉぉぉっ!? ワシにかっ!」
「何も泣かなくっても」
「昨日はすまんかったな、由真よっ!」
「(言えない……昨日のは美味しそうだったから自分で食べるつもりでついつい買っちっゃただなんて、言えない……)」

「た、貴明っ!」
「どうした、郁乃」
「……その手にあるのは何?」
「眼が怖いぞおまえ。これはさっき久寿川先輩に貰った……なんだろう?」
「今日の日付を考えたら中身決まってると思うんだけど」
「なんか物凄く棘を感じるぞ」
「気のせいよ。ええ気のせいよ」
「まあまだ他にも同じの持ってたし、卒業前にお世話になっている人に渡すって言ってたぞ。雄二やタマ姉の分もあるらしいし」
「……あ、そう」
「何故に急に落ち着く? で、何か用があったんじゃないのか?」
「た、大した事じゃないわよ。き、昨日姉が作ってて、クラスの女子に手作り代行頼まれたとかで、それで余った材料貰って、自分で食べる分作ったのよっ! そ、そしたらちょっと余ったからあんたに恵んでやろうと思っただけよ」
「へ? つ、つまり、その手に持っているのは俺へのっ!?」
「大声上げるなッ! 余り物だけど、ありがたく食べなさいっ!」
「いや、もう嬉しいぞ郁乃。まさかお前からもらえるなんて……」
「う、嬉しそうにされるのは悪い気しないわね。それじゃあねっ!!」
「あ、郁乃。……行っちまったか。えーと、カード入ってるな。どれどれ。……いつもありがとう、か。そんなこと、そのまま素直に言えばいいのにあいつ……」

んでもって河野家宅。

「はいタカ坊」
「忙しいのにありがとう、タマ姉」
「ま、タカ坊にとって一番嬉しい人からはもう貰えたみたいだけどね」
「な、何のことかな?」
「とぼけなくていいわよ。それとこれはこのみと春夏さんからの」
「あ、うん、ありがとう。て、そういえば今日はまだ見てないけど、このみの奴はどうしたの?」
「あの子は、その、ね。……昨日ちょっと材料買い足しに言っている間にあんな事になるなんてね……」
「へ?」

そしてこのみ。

「お腹痛いであります……」
「まさか味見でそのまま全部食べちゃうとは思わなかったわ……」
食べ過ぎにより腹痛で寝込むこのみと、それを看病する春夏であった。

終ってしまえ。

ADZの独り言。

本気で小ネタを寄せ集めただけの、SSになっていない代物で申し訳ないです……
そしてこのみファン、イルファファンの方々にごめんなさい。

いい加減「郁乃との日々」世界内の時間の流れが判り辛くなっているので以下時系列表を。気にしている方が居るかどうかはわかりませんが。
貴明と郁乃が初めて会った時からを基準として、

二つの思い、一つの未来 の1/ 郁乃入院中、手術前
郁乃との日々・番外編の参    同年の五月〜六月
郁乃との日々・番外編の弐    同年の六月
郁乃との日々・番外編の壱    同年の九月頃
二つの思い、一つの未来 の2/ 同年の十月
郁乃との日々・番外編の四(今回)一年後(貴明二年生時)の二月
郁乃との日々          一年後(貴明三年生時)の四月過ぎ
二つの思い、一つの未来 の3/ 一年後の六月
魔法少女うーま(マテコラ)   一年後の七月頃
二つの思い、一つの未来 の4/ 七年後、二月
二つの思い、一つの未来 の5/ 七年後、十月頃
二つの思い、一つの未来・外伝  二十二年後の四月

という事で。

……最後のは数字にするとなんかびっくり。そんなに年月が過ぎてるのか。

さて番外編シリーズも残すところ後二編。
何かネタが思いつけば他にも書くかもしれませんが、今の段階での書きかけ・予定しているものはそれで打ち止めとなります。
その後は……「夏影」のその後のお話ですかねぇ。一往書きかけではあるのですが、いつ出来上がる事やら。

それではまた、いつの日にか。

はい、らいるです。
いやまあ、狂信的コノミストとしては言いたいこともあるっちゃあるんですがw

とりあえず、

見敵必殺チョコを!

いきなりサーチアンドデストロイ?! 法儀式済み水銀弾頭の13mm炸裂徹鋼弾が火を噴いちゃう?!
……そしてミルファはサウザーw

相変わらずいろんなネタを仕込んでるし。
それにしても、番外編もあと2つですか。もうちょっと続いて欲しいような、夏影の続編も読みたいような。いや、多分どっちも書けるんでしょう、きっと。そうに違いない。
ちなみに今回HTML化していて一番大変だったのは、ADZさんの後書きにある作品群に、すぐ読めるようリンクを貼るとこだったりします。

話は変わって。
HMX姉妹のとこを読んでいて思ったんですが、ADZさんには是非、シルファを書いて欲しい。というか、書け。

皆さんも、「郁乃は当然として、シルファも読んでみたい」と思ったら、いつものように掲示板とかメ(以下略

ADZさんへの感想や励ましなどは、
nao-sあとyel.m-net.ne.jp
へどぞー。